2012.02.22 Wednesday
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2007.12.03 Monday
パリ、ジュテーム 'Paris je t'aime'を観ました。スイスにいた頃から観たいなと思っていた映画、やっとやっと借りました。短編がいくつもあってというのは知っていたけれど、一話がこんなにも短いとは!
舞台はもちろんパリ。誰もが知ってるパリもあれば、こんなところまで?と言ってしまいそうな場所でさえ映画の舞台になってしまう。1区から20区まで、たくさんのパリの魅力(よいところも嫌なところも)が詰まった物語が18話、監督も登場人物ももちろんまったく異なる物語が進みます。今日もどこかの街角で実際に起こっているのじゃないかと思ってしまうような日常のちいさな物語。 パリでは夏の間、お金がなくてバカンスに行けない若者のための無料のイベントがあちこちで開催されます。6年前の夏、わたしもそんな学生のひとりでした。この映画のようにパリで撮影された映画はこれまでにもたくさんあり、その映画を撮影された場所で観ようという粋な映画祭があったのです。シャンゼリゼ通りではゴダールの '勝手にしやがれ' を、そのとき住んでいたバスティーユのアパートの近くでは '猫が行方不明' を観られると聞いてうきうきしながら出かけたのをいまでも覚えています。画面に映し出される風景がすぐ近くにあって、変わらない街並がその映画の時代へとタイムスリップさせてくれるようでした。 バスティーユでの上映が終わり小さな広場に集まった観客が帰りはじめようという頃、スクリーンがライトアップされ周りがざわざわしてきます。スクリーンの方を観ると、そこにはさっきまで映画の中にいたおばあちゃん役の女優さんが監督と一緒に登場したのです! ふたりは撮影でのエピソードをとてもたのしそうに話してくれました。 いつかこの映画に登場する場所をまた歩くことができたらな。そしたらまた違うパリの日常を発見できるかもしれない。 好きな場所はいろいろとあるけれど、やっぱりいちばんはここ。6番線に乗って、セーヌを渡るところから見えるのがいいのです。 十二月三日 月曜日(カメラが壊れた) 2007.08.11 Saturday
てがみ 「とろけたチョコレートが届きました」
先日、小包を送った友人からこんな返事をもらいました。東京で忙しく働く彼に、ロンドンのおみやげとスイスのチョコレートを送ったのですがまさか溶ろけてしまうとは。日本の暑さを忘れていました。きょうのアスコナはちょっと寒いくらいです。 先月訪れたロンドンで、パリに住んでいた頃に出会った方と6年ぶりに会いました。彼女とはわたしが日本に帰国する直前、売りに出したオーブンを買ってくれたことで知り合いました。チキンの丸焼きにピザにグラタンにと大活躍のオーブンだったので、やはり料理が好きな人に買ってもらいたいとの願いを込めた張り紙にすぐに返事をくださったのが彼女でした。 帰国後、説明書を渡し忘れたことから手紙の交換が始まり、一年に何度か彼女はそのオーブンでつくった料理やそのレシピ、そして彼女がパリを離れ次のひとに渡ってもその後のことまで手紙で知らせてくれました。日本からも仕事のこと、料理のこと、東京から旅先から手紙を書きました。そして今回、6年ぶりに会うことになったのです。 彼女の住まいはロンドンから少し離れた閑静な住宅街。テムズ川もロンドンの中心よりずいぶんと川幅も狭くなりボートに乗って遊ぶ子供たちの姿も見かけました。川沿いを彼女とふたりで歩き、この6年の間にあったこと、これまでのこと、たくさんたくさん話しました。少しして、お茶でも飲みましょうかと彼女が自宅へ招いてくださいました。その道の途中でふっと彼女が、秋に結婚するのだということをとても自然に、すこしはにかみながら話してくれました。相手の方は手紙の中にもたびたび出てきた方だと想像できました。 手紙は受け取るのももちろんですが、書くことも好きです。受け取る相手のうれしそうなときには驚く顔を想像しながら、たとえそれが一方通行だとしても「ありがとう」と言ってくれる、それだけでうれしいのです。 いつかまた彼女と再会できる日を想いながら、彼女の幸せを願いながらきょうも手紙を書きました。まだ出してません。出さないかもしれません。そんな手紙もけっこう多かったりするのです。 アスコナに来て最初に届いた小包。 中にはおせんべやらうどんやら乾物やらがたくさんでした。 すぐになくなりましたよ。 八月十一日 土曜日(チャットモンチーする) 2007.07.21 Saturday
ライブラリブラリ 夏休みを利用してイギリスとフランスに行ってきました。ロンドンはずっと曇り空、しとしと雨がふったりやんだりの天気が続きコートを羽織る人もちらほら。こんなに寒いとは思ってもいませんでした。
滞在中偶然みつけた図書館、St.Bride Libraryには印刷、タイポ、製本、紙についての本がたくさん並んでいました。印刷のクラスもあるみたいです。講義をちらっと覗いたけれど、なんだかたのしそう。探していた本たちもそこかしこにあってそれだけでロンドンに住む友人を羨んだほどです。ロンドン、また行きたいです。 3月に来たばかりですがやっぱりぱりはパリ。フランスにいた頃の友人、アメリカ人のカトリーナが6年ぶりに来るというので彼女に会いにきました。彼女が夏の間1ヶ月間借りているアパートはフランス人の作家の家で、ここにも本がずらり。サリンジャーにカフカ、井上靖にリルケととても良い本がたくさんでした。 到着した日の夜、カトリーナがニコニコしながら一冊の本を見せます。見覚えのある表紙・・・それは6年前に製本したパリの地図!アメリカに帰ってしまった彼女がまたパリに来られるように、いつかまたパリで会えるようにとプレゼントしたものでした。わー!と同時にその製本の拙さにもびっくり。背中はゆがんでるし、花切れもガタガタ、でもあの頃の技術ではこれが精一杯でした。不満げなわたしをよそに彼女はほんとにうれしそうです。 彼女がこの本を見せてくれたことで製本をはじめたばかりのことを思い出しました。たとえ技術が上達しても、本をつくるとき、その本に込める想いをこれからも忘れないでいようとおもったそんな旅でした。 七月二十一日 土曜日(郵便局へいく) きょうの1冊 Plan de PARIS par arrondissement (L'INDISPENSABLE) パリで通っていた Reliure Paule-Ameline。 なかなか写真を撮らせてくれないので作業中をパシャリ。 この後すぐ振り向いてちょっと嫌そな顔。 |
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