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daily life

 桜の便りがちらほら聴こえてきたと思ったらまた北風ぴゅーぴゅー舞い戻ってきて、震えながらもじっと耐える枝先の小さなふくらみたち、はらりと落ちてきた一枚の花びらが、しとしと雨のなかちぢこまってうつむきながら歩いていたわたしに上を向いて!と言ってくれているよう。こんもりと梢が隠れるほどに花開く姿も美しいけれど、日に日に少しずつ膨らみを増すつぼみたちが春の訪れをいっそうたのしみにさせてくれています。


 学生の頃に毎日のように訪れていた街、いつも待ち合わせてたアイスクリーム屋さんのベンチはあの頃のまま、少し歩けばぽつりぽつり小さいけれどよいお店が立ち並ぶ通り、そこから少し奥まったところにある gallery feve での辻和美さんの展覧会を見てきました。色とりどりのガラス、日にかざすと微妙に変化するガラスの色がきれい。天窓の下に置かれた薄いグレーの大きめサイズのピッチャーは薄曇りの空から届く淡い光の中にも堂々と佇んでいて見とれてしまう美しさ。場所は変わって、OUTBOUNDでは透明なガラスのみ、茶のセット、ふたもの、ぎざぎざに縁取りされたお皿、そして小さな電球の明かりを柔らかく包み込むランプシェード、厚みや色や歪みから生まれる「いろ」と「かたち」の妙をふたつの異なる空間で感じられた展覧会でした。



dailylife


展覧会のためのポスターを蓋に貼りました。
本の表紙の写真ではなく、ひびの入った
グラスにマスキングが貼られたやわらかく
淡い色合いの写真が印象的です。
撮影は小泉佳春さん、切り取ったらますます
ガラスじゃないみたいです。



 辻さんの作品集 ' Daily Life ' の本は山口信博さんのデザインです。山口さんがこれまでにデザインされた本とそのときどきに描いたラフや本に登場する作品、展覧会用にデザインしたポスターやDMなどをまとめた本をつくる仕事をしています。本のための本、正確には箱をつくっているのだけれど。製本家は本を製本し、それを納める箱もつくります。より長くよい状態を保つため、修復の施しようのない本はそのままの状態を保つためにも箱に納めます。スイスで制作した箱を見てオーダーをいただいた二年前から制作しているもので、もちろんそれぞれひとつずつ、うーんうーんと考えて形や外側に貼る紙を選びます。十個集まったら展覧会をという目標で、今年の秋に展覧会をすることになりました。ただいま十個目を制作中、展覧会のためにそれぞれひとつひとつの本に込めた想いを記した本も制作予定です。どうぞおたのしみに。

 OUTBOUNDの姉妹店、井の頭線の高架を越えたすぐにある Roundabout にひさびさの納品もしています。カードフォルダーとオーダーでつくる手帳とおなじ製本の小さなノートです。ここで作品を見て教室に来てくれた生徒さんもいて、うれしい出会いもありました。引き続き千駄ヶ谷の PAPIER LABO. でもノートを置いています。こちらもどうぞよろしくお願いいたします。


 発売中の「デザインの現場」に製本教室のことを載せていただいています。小さな記事なのですが教室の内容としては小泉さんのタイポのことが主に書かれているのでちょっとわかりづらいかもしれません。製本ベーシッククラスは毎週土曜のお昼と月曜夜のクラスがあります。製本クラスは学生さんからどなたでも参加できますよー。4月からのクラスも引き続き募集中ですのでどうぞお問い合わせください。



三月二十八日 日曜日(ベーグルを買って食べてたらまたベーグルもらっちった)
 

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