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アイスクリームのたのしみ

 友人がミラノにあるおいしいジェラート屋さんを教えてくれました。ミラノに住むイタリア人に教えてもらったとのこと、そんなに大きな期待もせずに行ったらこんなの食べたことないってくらいのおいしさで、初めてのイタリア旅行がちょっと期待外れでがっかりしてしまったけれどこのジェラートだけは格別と興奮気味に話してくれました。チョコレートだけでも数種類、いちばんのお勧めはバジル入りのチョコレートだそう。一体どんな味がするのかな。
 
 今週のアスコナは天気がすばらしくよくて、山の方からはパラグライダーで優雅に空を舞うひとをあちこちで見かけます。ほんとに高いところをゆらゆらと飛んでいて、そんなところから見るわたしたちなんて豆粒みたいなものだろうねとアイスクリーム片手に空を見上げる。いつまでみても飽きないこの景色とももうすぐお別れです。
 
 今年の夏はほんとうによくアイスクリームを食べました。ここのアイスも一応ジェラートと言うのでしょうか。学校帰りにクラスメートと、休みの日はひとりでも、先生のおうちでのディナーではパイナップルに乗ったバニラアイスとの組み合わせがとてもおいしくていつかわたしもやってみようって思ったのでした。おじいちゃんもおばあちゃんもちいさな子供もみんな大好き、みんなうれしそう。
 
 日本ではいつもシングルだったのにこっちに来てからはいつもダブルでふたつの味を一緒にたのしむようになりました。たくさんある種類のなかからふたつを選ぶのはほんとうに悩むけれど、決まっていつも濃厚な甘さのものと、フルーツのすこし酸味のあるものとを組み合わせるのが好きです。チョコとマンゴー、ティラミスとレモン、チョコチップとパイナップルもおいしかったなぁ。味ももちろん大事だけれど、無意識に色の組み合わせを考えてたりします。見た目もおいしさのひとつの要素なのです。
 
 今年はあと何回食べられるのかな。あしたもまたお天気だとよいのだけれど。


paper_decoration

Paper decorationのクラスでつくった紙。
いろんな色を重ねて、予想外の色をつくるのがたのしい。


九月二十四日 月曜日(きょうも天気は加藤さん)

| Ascona | - | 22:39 |
パーチメント

 紙づくりが伝わる以前はパーチメントと呼ばれる動物の皮膚を書き物として、本の表紙として用いていました。半透明の少し黄みがかった、ときに黒い血管の模様のあるこの素材をこちらに来て初めて触りました。歴史の本などで名前は聞いたことはあったけれど、初めて触れた感触は、、、硬い! もしなんの知識もなく目隠しで触ったらプラスチックと間違えてしまうかもしれないくらいの硬さです。けれどやはり自然のもの、独特のなめらかさもあり、風合いも色も動物によって、その部位によって違う。触れば触るほどにそのしなやかさにほれぼれしてしまうほど。


books_14th

13-14世紀の本。右ふたつは木を、左のはパーチメントを
背に用いています。装飾もかわいく施されています。
まん中のボタンは本を閉じるためのもの。


 1966年、イタリアのフィレンツェでの大水害の際、たくさんの歴史的文化遺産や美術品がダメージを受けました。多くの貴重な本が被害を受けたなかでパーチメントで覆われた本は無事だったのだそう。それ以降多くの修復家がパーチメントを以前にも増して使うようになったそうです。けれど、クラスメートの話しではパーチメントを好んで使う修復家はあまりいないと言います。水に強く、保存性にも長けた素晴らしい素材ではあるけれど、伸縮性が激しすぎて糊を用いて表紙に貼りつけるときはなによりも難しい作業と皆口を揃えて言います。

 先々週の歴史の授業のなかで、16世紀にいまのルリユールの製本が確立される以前の12−15世紀の本をスライドで見せてもらい、実際に同じ技術で製本をしました。糊は用いずにパーチメントを縫い糸に使ったり、支柱に木や革を用いたり、とても興味深いものばかりでした。
 実際にほとんど見ることのできない時代の本を製本することができたことはとてもよい経験、またこれを違ったかたちでわたしなりの表現ができたらなと考えています。


九月十日 月曜日(とうとうお医者へ)


PeterFischli

先月、チューリッヒのKUNSTHAUSで観たPeter Fischli and David Weissの
展示で上映していたフィルム。パンダとくまの着ぐるみを着た奇妙なふたりの
(二匹の)やりとりはドイツ語がわからなくてもたのしめました。
最後はふたりが人間に見えました。


 
| cbl | - | 18:15 |
attendre

 約60もの工程を重ねてできるルリユールの製本はそのほとんどを待ち時間に費やします。プレスをして一週間、背に糊をして一晩、表紙を貼って一週間、中表紙を貼って一週間、この待つ時間も重要な工程のひとつ。最初はひとつの本をつくるのに数ヶ月もかかると聞いて驚いたけれど、この時間の大切さは何十冊かつくるうちにだんだんとわかってきた気がします。


nice


 コートダジュールの青い海を見にニースに行ってきました。パリに住んでいた頃も何度か訪れた街、けれど暖かい時期に来たのは初めてのことでした。空も海もどこまでも青く、海岸のあちこちに立つパラソルの白が眩しすぎるくらい。
 
 待つことは嫌いじゃない。小学生の頃、近所のお友達と一緒に遊ぼうと公園で待ち合わせたけれど何時間経っても現れなかったことがありました。バスを待つのも、電車を待つのも、レジを待つのも、洗濯が終わるのを待つのも、来ない手紙を待つのも、その間にいろんなことを考えられる。その時間さえ大切に思えてくるから不思議。そりゃあ、急がなくちゃいけない時だってあるけれど、ときには待たせてしまうこともあるけれど、でもなんとなくこころに余裕を持って次のことができるような気がします。待つことは信じること。相手を信じていなければ待ってなんていられない。
 
 いま、帰国を前にして考えなくてはいけないことが頭のなかでぐるぐる出口の見えないトンネルの中を彷徨っているかのよう。心配されるのも無理はありません。はっきりとした答えが出ないまま、大きな空と海、おいしい料理が唯一の救いだった気がします。

 またいつかこの海岸を訪れることができたなら、砂浜に降りて海岸を歩きたいな。


sewingmachine

製本をする機械、これなら短時間でたくさん製本できる。
機械だけれど見た目も動きもアナログなところが好き。


九月九日 日曜日(風邪を引いてしまった)
| books | - | 20:36 |

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