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PRINT MATTERS

 土曜日からはじまる展覧会のための作品をきのうやっと郵送しました。そしてまだつくっています。そう、今回は展示販売ができるとのことなのでたくさんの方にいろんな作品を見ていただこうとおもいまして(でもお渡しするのは展示会の後になるかと)いろんなバージョンをつくっているのです。なので展示会最中に作品が増えるということもあり得ます。よろしくお願いしますです。

 今回の展示は「紙と印刷の可能性」ということでわたしはカードフォルダー(名刺入れ)とノートを出展させていただくことになりました。
 カードフォルダーは1m弱の一枚の紙をひたすら折ってできるもので、スイスの学校の授業で習ったものを自分なりにアレンジしました。糊は一切使用せずに折の技術だけでできています。表紙に使用した紙は厚手のボール紙で画材屋さんなどでよく見かけるものや再生紙のカードボードを使用しています。サンドペーパーをかけて色を少し落としてみたり、閉じる方法も変えているのでひとつひとつ表情が違います。いくつか模様をつけたものはレタリングを使いました。ご自分の名刺を入れても、ショップカードなどを入れたりするのにもよいのかなと思います。


cardfolder_shell

 写真のものにはひもをぐるぐる巻いて閉じられる用にしています。この紐はIrish waxed linen threadという本来は革靴などを縫うための紐を使用しました。

 
 それからもうひとつのノートは以前からつくっているもので、手帳をつくるときに余った紙や包装紙などを組み合わせて束ねたノートです。これも糊をほとんど使用せずに釣り糸を用いて製本しています。とてもフラットにページを開くことができるのが特徴です。


notebook

 今回の展示用にはプリントされた紙をいくつか入れてコラージュするように紙を選んでみています。ぜひお手に取ってページごとに違う組み合わせや紙の手触りをたのしんでいただけたらうれしいです。


 
十月二十五日 木曜日(なかなか電話がならないぞな)

| exhibition | - | 22:10 |
「紙と印刷の可能性」

 日本に戻りもうすでに二週間以上が過ぎました。スイスでの滞在の最後はほんとうに慌ただしく、十ヶ月の間につくった本たちはちいさなものも含め五十冊以上、そのすべてを手荷物で持ち帰ることはできなかったので大半は梱包して船便で郵送していました。アスコナの友人からは「Now I just hope that your books will arrive safely as well and escape the many dangers of the ocean, whales, snakes, pirates...etc」とのメールが。陸続きのヨーロッパの国々に住む彼らにとっては日本は遠い島国であることを実感してしまいました。それにしても海賊って、、、

 そんな心配もなんのその、想像していたよりも早く50キロもの荷物がスイスから山を越え、海を越え送り主の元に戻ってきました。本などへの損傷もなく、段ボールを開けひとつひとつの荷物を手に取るたびにじわじわと帰って来た実感が湧いてきます。

 先週は東京で帰ってきました報告をしたり、制作した本たちに興味をもってくださる方にお会いする機会がいくつかありました。27日から千駄ヶ谷のPAPIER LABO.という紙のプロダクトを扱うお店での展覧会にも参加することになりました。


print matters


 展示タイトルは「PRINT MATTERS」。参加作家たちそれぞれが紙と印刷の可能性を考えた作品を発表します。ちいさなお店なのでそれぞれ出展数は少ないのですが、わたしもまだお会いしたことのない方も多いのでみなさんの作品を見るのもたのしみです。帰国直前にいただいた展示会へのお誘いにわたしはこのタイトルに惹かれすぐに参加することを決めました。あまり時間もなかったのですが、スイスで学んだこと、これからのことを考えて制作しています(実はまだ制作中です)。よかったら見に来てください。

 12月にはスイスで学んだことを発表することになりました。滞在中の写真などとつくった作品、これからのことをお話しできればなと考えています。詳しいことが決まったらまたお知らせしたいと思います。


matchbox

タイトル押しをするhot blocking pressを使って箱づくりを
したときにつくったマッチ箱。既存のものにカードボードを
貼付けただけなのだけれど、この機械での印刷はほんとうに
たのしかった。いつか買おうとこころに決めた。


十月二十四日 水曜日(やっと携帯購入、こんどはスライド式だ)
 
 
 
| works | - | 13:12 |
ただいま

 ミラノにいたのがもうずいぶん前のように感じられます。いまここは日本、アスコナ→ミラノ→ロンドン→成田と電車とバスと飛行機を乗り継ぎ、アスコナのアパートを出て実家に戻るまでにすでに27時間が経過していました。

 祖母の容態が悪化したとの知らせを聞いたのはミラノにいたときでした。すぐに帰って来なさいとの母からの電話でスイスに戻ってすぐに飛行機の手配をし、荷物をまとめました。50キロもの荷物を日本に送り、なるべく軽くしたつもりが結局制限いっぱいに詰めたスーツケースと大切な作品を入れた機内持ち込みの荷物を持ち、電話の三日後にはスイスを発ちました。出発前は気ばかりが焦っていましたが、空港に着き、Tokyo 行きのチケットで自分の座席を確かめたらすこしほっとしました。
 帰国前夜には親しい友人たちと、いつものレストランでいつものようにたくさん食べて、たくさん飲み(わたしはワイン一杯)、帰りはうちに寄って最後の荷物の片づけを手伝ってもらいました。みな気を使ってくれてか普段とはすこしも変わらない夜だったけれど、最後のハグはいつもよりもずっとずっと強くて、大きくて、あたたかかった。
 
 東京で出合った祖父母は、神田駿河台にある明治大学の前で洋服やさんを営んでいました。絵を描くことがとても上手だった祖父は生地のデザインをし、仕立てまでをしていたそうです。戦争が始まり、空襲を逃れ祖母の実家に戻ってからもいつもおしゃれで粋な江戸っ子の祖父の姿を見てわたしは育ちました。祖母はとてもしつけに厳しいひとで、孫たちはみな祖母に叱られながら大きくなりました。 
 いまのわたしの手仕事も祖父母の影響があるのかなと思います。小学校を卒業するまではずっと一緒に暮らしていて、あたたかい祖父母の布団に弟と一緒に入って寝るのが大好きでした。父が病に倒れた朝も、わたしと弟は祖父母の布団の中でじっとしていました。大きな救急車のサイレンを聞きながら、なにか大変なことが起こっていたのは感じていましたが、ふたりが隣にいてくれたから真っ暗闇の中でも怖がらずにいられました。
 
 久しぶりに会った従兄弟たちはみな立派になって、それぞれ祖父母の築いた家業を守り、その遺志を引き継いでいます。わたしは直接彼らの残してくれた事業に関わることはできませんが、永く築いてきたことを守り伝えていくことを大切に、祖父母の残してくれた糸を紡ぎ続けていきたいと思います。


lastview_ascona

マッジョーレ湖、さいごにみた景色。
また戻ることはあるのかな。



十月七日 日曜日(さいしょのおうちごはんはおにぎり)
| Ascona | - | 17:35 |
さいごの訪問客

 九月に入りスイスでの滞在も残りあとわずか、日本から、ヨーロッパの各地からここアスコナに来客が押し寄せています。オーストリアで合流したあっちゃんとはWien、Innsbruckを一緒に廻り、アスコナにも一週間程いてくれました。その間にもロンドンから幼なじみが、日本からふたりの友人もスウェーデン、ロンドンへの旅の途中にこんな田舎の街まで来てくれました。授業もあってなかなか一緒に過ごすことはできなかったけれど、都会で忙しく日々を過ごす彼女たちにはつかの間の休日をのんびりたのしんでもらえたようです。

 スウェーデンへ向かうふたりを見送って3時間後にはもう三人、最後の来客がロンドンからやってきました。夏に彼らのロンドンでのフラットにお邪魔していたのでそんなに久しぶりではないけれどこの街での生活を見せることができてわたしもうれしい。車でやってきた彼らに「これまで行きたくても行けなかったところは?」と聞かれ、以前友人の Sibylle に教えてもらってとてもよかったと聞いていた Valle Verzascaに行くことになりました。アスコナから山の方へ車で40分程の深い渓谷にある小さな街です。古くからこの地方では石で家を建てていました。いまではその技術を知るひともほとんどいなくなり現代的な家がほとんどですが、山間の村にはまだぽつぽつと残っています。どれもかわいらしく、あたたかみのある家ばかり。


verzasca_ie


 そこからさらに15分程先にあるのは石でできた古い橋 'Ponte dei Salti' 、わたしたちが到着したときにはちょうど教会へ向かう途中の新郎新婦、そしてその家族が一緒にこの橋を渡っていました。華やかではないけれどとてもすてきな光景でした。


verzasca

 

 彼らが帰る日には一緒にミラノまで車で乗せてもらいました。もうミラノに行くことは当分できないと思っていたのにこんなに早く行けるとは! お目当てはもちろんあのジェラート屋さんです。ジェラートを食べにミラノまで、なんて贅沢な日帰り旅行でしょう。


gelato1 

ひとり3つの味が選べるとのこと、わたしはバジルチョコ、マンゴー、ピスタチオの組み合わせ。どれも濃厚でなめらか、それぞれの素材の味はもちろん、チョコとバジルの組み合わせは濃厚なチョコにバジルの爽やかな風味が合わさってとてもおいしかった!

 
 これがアスコナでの最後の旅になってしまうとは思ってもいませんでしたが、いつでもどこでもたのしむことのできる彼らとだったから、見慣れた街の風景も、ふだんと変わらないはずのごはんもいつもよりさらにおいしく食べることができました。ほんとうにありがとう。


十月一日 月曜日(あたふたして帰国準備)


 
| Ascona | - | 23:38 |

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